3回戦前半第2試合


先攻
バーソロミュー教団
コント/南北代表マジック勝負(未遂)


 イーサン:……フフフ、待たせたな。北国にこの男ありと謳われた天才マジシャン、トム・エドウィン!!
      世界に数多くマジシャンがいるが、キングの称号を持っているのは俺だけだ。
      しかし、今どうやら世間では、そんな俺よりもお前の方がキングに相応しいと言われているらしいじゃないか!!
      そこで! そんな若い芽を摘み取って女子にモテモテ、いや、俺がキングの称号を防衛し、
      やはりキングはイーサンに相応しい称号なんだと世間が再認識して女子にモテモテ、
      いや、マジシャンとして他を寄せ付けない極致に立って女子にモテモテなのだ!!

エドウィン:もう頭の中モテることでいっぱいじゃねぇか。大学入った途端金髪になって軽音部に入るやつのパターンだわ。

ーサ:名乗るのが遅れた。俺の名前はタージマハル・イーサン!!
   田嶋陽子の「タージマ」に、春一番の「ハルイ」に、キユーピー3分クッキングの「ーサン」だ!!

エド:分割が荒業すぎて意味わかんねぇよ。つまるところ何がしたいわけ?

ーサ:フフフ、呑み込みの悪いやつだ。つまり、俺とお前でマジック対決をして、どっちがキングに相応しいかを決めようというわけだ!!

エド:ヒャッハー! そういうことなら早く言えよこの野郎!
   ちんたらちんたら喋ってやがって、日が暮れるんじゃねぇかと思ったぜ! がはははは!
   
ーサ:……おぉ、北国のトムはマジックの話に入ると狂乱状態に陥るという噂は本当だったようだ。

エド:さぁ! そうと決まれば話は早い!
   北国と南国、どっちのマジシャンのシルクハットから出てきたハトが美味いかで勝負だ!

ーサ:話聞いてた!? それじゃグルメ対決じゃねぇか!!
   違うよ、俺とお前、どっちがマジシャンとして凄いかをはっきりさせようって言ってるんだよ!

エド:がはははは! まぁいいだろう!
   南国の天才、キング・タージマハル・イーサン、通称キンタマサンと対決できる日が来るとはな!

ーサ:えぇぇちょっとストップ!! 通称キンタマサン!? 俺、そんな愛称が付けられてんの!?

エド:そうさ! 俺は北国のエドウィン! お前は南国のキンタマサン!!

ーサ:南北の代表として釣り合わねぇ愛称だな!! 「サン」がカタカナなのも一段と苛立ちを助長させてるわ!!

エド:がはははは! そういきり立つな、ここ北国でも君の噂は評判になっているぞ!?
   「南国のキンタマサンのシルクハットから出てきたハトはとても美味しい」とな!

ーサ:それだと俺が何の職業なのかも分かんねぇよ!! 「色々と工夫してる変態シェフかなー」とかそんな認識だよ多分!!

エド:そこでだ! 俺も負けないように、色々とハトの料理を研究し尽くしたんだ!
   ハトのムニエル、ハトのパエリア、ハトのソテー、ハトの生姜焼き、ハトと白身魚のホワイトソースあんかけシーフードクラムチャウダー!

ーサ:お前すげぇな!! マジシャンより料理家のほうが向いてるんじゃないの!?

エド:しかし、ハトを大量に仕入れてしまったために、街中にウンチが散乱してしまい社会現象となったのだ!

ーサ:そんなドヤ顔で言うことじゃねぇよそれ!! 確かにその辺くっせぇなーと思ってたところだわ!!

エド:そこで立ち上がったのが、ハトのウンチ駆除において右に出るものがいないと言われる我らが町の非営利団体「北国ハトぽっぽ隊」というわけだ!

ーサ:知らねぇよお前の町のボランティアな一面は!!

エド:さぁ、ここからが本題のマジック対決だ! 俺の18番の消失マジックで、散らばってるハトのウンチを瞬時に消してみせよう!
   お前も一緒に! せーの、ハトぽっぽ隊の皆さーん!!

ーサ:もう帰らせてもらうわ!!!

後攻
みやこ
コント/交響曲第2番『将来』


野崎:やあ、諸君。わたくし、野崎・シンフォニスト・B作というもの。なあに、ほんのちょっと音楽に携わっているだけの人間ですよ。
   私の耳には、いつもメロディが聞こえます。そう、自然のメロディが、ね。
   その自然のメロディを聞き取り、私が磨いて皆様に届ける。ささやかな、奇跡の慈善事業ですよ。
   そして今日も聞こえます、空間を漂うメロディが………。


   ワン、トゥー、スリー。



   ラララ 布団がふっとんだ〜♪ピンクサロンの看板と共に〜♪危ない!危ない!けいえいが、あぶなーーーーーい!!!








宮尾:これが小6だとはな。

野崎:宮尾先生、今日はどうされたかな?私がつかむメロディ、シャワーの如く浴びたいのかな?ははは、まず礼儀として服を脱ぎたまえ。

宮尾:そう、私はいたって普通の小学校の教諭、宮尾。
   たった今、教え子の股間を猛烈に蹴り上げたい気持ちに駆られている。ダイアモンド☆ユカイ似だ。やめろその顔。

野崎:そうだなぁ、今私がここにいる職員室のメロディを感じ取って差し上げよう。



   ワン、トゥー、スリー。



   ラララ カレイの加齢臭〜♪ここはリアルに加齢臭〜♪きかない!きかない!ギャツビーが、きかなーーーーーい!!!






宮尾:12歳のお前が一番臭いんだよ。

野崎:オー、マイ、バッハ!!!

宮尾:早退してぇ、ああ早退してぇ。くっそ、でも責務はこなさないといかん。
   えーと野崎、お前も小6だから来年は中学生。そろそろどんな大人になりたいかというのを真剣に考えないといけない。
   先生強烈に心配になったから、今日はお前の将来の夢について聞きたいと思って呼んだんだ。

野崎:はっはっは!!将来の夢も何も自分音楽家ですから?すでに音楽でご飯、食べちゃってますから?

宮尾:てめえ昨日スーパーで親にひもQおねだりしてただろうが。

野崎:うぎゃあ見られてた!!オー、マイ、バッハ!!!変ホは短調!!!

宮尾:教職員の手に負えねえ。泣きたい。

野崎:宮尾先生はわたくしを見くびっておられる。私が伝えるメロディは、単なる音楽じゃない。真実を浮き表したメッセージがこもっているんです。
   空間に漂う数々の真実を、わたくしなりの小粋なジョークを交えてお届けしているんですよ。

宮尾:それすでに嘉門達夫がやってんだよ。30年前からある手法なんだよ。

野崎:鼻から牛乳と一緒にしないで頂きたい!!わたくしのは音楽を通り越した芸術なんです!!モネと同じジャンルです!!

宮尾:芸術と加齢臭を並ばせるとはな。睡蓮も枯れるわ。

野崎:先生には分からないんですか!?音楽が、そしてわたくしが放つこのオーラを!
   しっかりと心の目で見てください!分かるはずです、漂う音楽とわたくし自身の、オーラの二重奏が……!!



   うほ、うほうほ、うほうほうほう、お、オーラが、は、はみだしちゃいそうっ!!う、うほほほほほひょーーーーーーーーう!!!





宮尾:少年よ。カツラがずれてるぞ。

野崎:もべらぁ!!若年性薄毛バレた!!オー、マイ、バッハ!!!シャープ、掛布、フラット!!!

宮尾:槙原にバットで殴られろ。

野崎:先生よ!!なぜわたくしをお疑いになる!?もしかして、まだわたくしを音楽家として認めてくださらないと!?
   わたくしが作詞作曲をサボって勉学に打ち込んでいたから!?友達とポケモンカードやっていたから!?いまだに夕方まで鬼ごっことかしてるから!?
   それとも、運動会のリレーのアンカーになりたいがために日々走る特訓に勤しんでいるから!?

宮尾:お前いい子なんだよ。普通にいい子なんだよ。だからキャラ付けの部分が腹立つんだよ。
   いいか野崎、音楽が好きなのは分かるが無理して異端児のようになる必要はない。
   先生はな、お前が素直なことなんかとっくに知っているんだ。お前はそれでいいんだ。
   だからずっと本来のお前であってくれ。そして体を洗ってくれ。
   ただでさえ顔がユカイに似てるのに、中身までこじらせるな。頼む。

野崎:先生……。確かに先生の言うとおりかもしれない。それでも音楽を突き詰めたい。メロディをつかみ続けたいんだ。
   確かにわたくしは、他人からしたら異端かもしれない。無理もしている。正直胃に穴が開いている。その上薄毛だ。未来が見えない。
   しかし、こうでないとメロディを掴むことは出来ない。手にすることは出来ない。
   聞いてください、私の周りに漂う、覚悟のメロディを―――。(バイオリンを取り出す)






   (♪ラフマニノフ「ピアノ協奏曲第2番」ハ短調 第一楽章)







   (♪ラフマニノフ「ピアノ協奏曲第2番」ハ短調 第二楽章)







   (♪ラフマニノフ「ピアノ協奏曲第2番」ハ短調 第三楽章)






   (終曲)






   (すがすがしい 笑顔)










野崎:ぎゃああああああああ!!素直に好きな曲弾いちゃったぁぁぁぁぁ!!!キャラがぁぁぁぁぁぁ!!!
   オー、マイ、バッハ!!!俺の、尻毛を、楽譜にばらまkイタタタタタタタタタタ胃がぁぁぁぁぁぁぁ!!!

宮尾:(抱きしめる)



五竹:バーソロミュー教団さん、みやこさん、ありがとうございました。

小村:なんで3回戦でこの組み合わせだよ!?
   というかみやこさんは2回戦の相手はシュビビン!さんだったしもう1試合1試合がハード過ぎんでしょ・・・

五竹:それではまずは審査員のご紹介を。
   今回審査をしてくださったのは、
   きょくにゃんさん、ナカギさん、マグネッツさん、星野流人さん、BOMBさん、翔さん、、さん。
   以上の7名の方々です。今回はいただいた審査数が奇数なので、ジンガ一の票を入れず7票で2組の勝敗を決めます。

小村:皆さん審査ありがとうございます!

五竹:票は1票ずつ、先程名前を挙げた順に発表していきます。
   今巷で面白いと話題のKevinさんに完封勝ち、伸び盛りのヒ(ーロー)さんを破ってきたバーソロミュー教団さんが勝つか、
   某短文企画のチャンピオンであるシュビビン!さんを破ってきたみやこさんが勝つのか。
   では行きましょう。
   投票結果は・・・


















 みやこ




















 みやこ




















 みやこ




















 みやこ




















 みやこ




















 みやこ




















 みやこ



 ということで結果は、




















 バーソロミュー教団さん0票、みやこさん7票で、


 みやこさんの勝利です!
 おめでとうございます!
小村:もうこれ強いなんてもんじゃないでしょ!?シュビビン!さん相手に6−1で勝って、バーソロミュー教団さん相手に完封とか・・・

五竹:残念ながらバーソロミュー教団さんはここで敗退となります。

小村:もうみやこさんに全部託しましょう・・・

五竹:さあ続いていきましょう。第3試合、こちらの2組です。
◆3回戦前半第3試合 XENOGLOSSIA 対 灯風◆


↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓審査詳細↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓



審査者:きょくにゃん

投票:みやこ

◆投票理由◆
バーソロミュー教団:一つ一つのボケや表現は高水準だったと思います。しかしながら最初の名前削ってハトの下りをもっと広げて欲しかったかなと思います。
みやこ:最初の自己紹介と下らなさすぎる(かなり褒めてます)歌詞でグッと心を掴まれました。文句なしで面白かったです。



審査者:ナカギ

投票:みやこ

◆投票理由◆
非常に非常に非常に悩みました。
バーソロミュー教団さんは後半から盛り上がる理想的なコントだったと思います。
楽しめる場所も多くあったのですが対戦相手の方と比べると爆発力に欠けたなという感じでした。
みやこさんは爆発力がとんでもなく凄かったです。メロディーの部分は大きく笑わせてもらいましたし会話の部分もとても楽しめました。



審査者:マグネッツ

投票:みやこ

◆投票理由◆
10点制だったら両方に満点つけてますわ……。

バーソロミュー教団:
20行を綺麗に使った素晴らしいコントだと思います。
「頭の中モテることでいっぱい」「北国のトムはマジックの話に入ると狂乱状態に陥る」「北国ハトぽっぽ隊」あたりが特に好きでした。
こちらも爆発力が十分あるネタだったのですが、みやこと比べるとみやこの方が一枚上手だったかな、といった感じでした。

みやこ:
短文とは思えないほどのボリュームでした。
「オー、マイ、バッハ!!!」という必殺フレーズを見た瞬間にこれはみやこの勝ちなのではと思いましたが、
このフレーズが無くても迷った末にみやこだったと思います。楽しいネタでした。ありがとうございます。



審査者:星野流人

投票:みやこ

◆投票理由◆
バーソロミュー教団さんはなんていうか……ボケに勢いがあり、読んでいて自然と惹き込まれるような感じでした。
やや突拍子も無さ過ぎてついていけなくなりそうな部分がありつつも、全体的には良いボケが揃っていたと思います。
みやこさんはボケのインパクトが強く、読んでいて強く印象に残るボケが多くありました。
ボケツッコミともに強い特徴があるのですが、決してごちゃごちゃにはなっておらず、うまくまとまったネタに仕上がっていたと思います。
正直こちらの組み合わせには悩むところなのですが……個人的な好みとして、みやこさんに1票を投じます。



審査者:BOMB

投票:みやこ

◆投票理由◆
バーソロも悪くなかった。今読んでも、このネタは面白い。
けれどみやこのアホ臭さが突き抜けていた。最初の台詞で一気に勝負を決めた印象。オチ微妙だったけど!



審査者:翔

投票:みやこ

◆投票理由◆
バーソロミュー教団:6

うーん、ちょっと物足りない


みやこ:7

これはひどいな
面白いか面白くなかったかで言うとちょっと面白かったのが腹立ちます



審査者:、

投票:みやこ

◆投票理由◆
導入が二組とも似てて面白かったです、それを抜いてもベストバウト候補だと
個人的にキャラの作り込みとボケの密度でみやこさんが好みでした



審査者:ジンガー

投票(無効):みやこ

◆投票理由◆
みやこさんは、流れとか関係なく笑わせられるパワーのあるボケの多いネタだったように感じました。
ただ若干流れを作れてないかなと感じる部分もあり、流れが薄かった(と感じてしまった)分1回1回笑う姿勢を作る必要があり、
それを作るのに必要なエネルギーの分だけ面白さをロスしてしまっていたかなと(分かりにくい感じになってしまい申し訳ないです)
ただパワーのあるボケが多かったので、十分に楽しむことができました。
バーソロミュー教団さんはボケツッコミの逆転でちょっとブレを感じてしまったのと、
マジック勝負は行ってないですし未遂という点についても特別触れておらず、
結果、軸となる部分と言いますかネタ全体を絞める要素みたいなものが見えず、印象のあまり強くないネタになってしまっていたかなと感じました。
ボケのパワーの面でみやこさんの方が1つ上だったかなと。



◆3回戦前半第3試合 XENOGLOSSIA 対 灯風◆


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