2回戦前半第3試合


先攻
ヒ(ーロー)
漫才/はじめてのおつかい


上科:あのさ、『はじめてのおつかい』ってあるじゃん。あの、子供を愚行を大人たちが嘲笑うやつ。
   俺もプロデュースしてみたから聞いてくれ。

井金:その悪意に満ちた紹介文を今すぐ撤回しろよ。そんな醜い大人たちの嘲笑に満ちた腐った番組じゃないから。

上科:「今日は、大津市に住む小野さん家の妹子ちゃん(6歳)のおつかいをご覧いただきましょう。」

井金:なんかどこかで聞いたことあるような名前だな…。まぁ、きっと気のせいだろう。

上科:「妹子ちゃんが推古おかあさんと太子おとうさんに呼ばれました。
    『ちょっとおつかいに行ってきてくれないかな?』
    『いいよ。』と妹子ちゃん。
    『じゃあ、』と太子おとうさん。『ちょっと中国に行って、この手紙を煬帝おじさんに届けてきてくれ』」

井金:遣隋使やないかい! もはやこれ小野妹子の「はじめてのお遣い」的な展開やないかい!

上科:「『それから、』と推古おかあさん。
    『銀・絹製品・木綿・金漆・黄糸・出火鉄・出火水晶・海石榴油・甘葛汁・望陀布・瑠璃・細屯綿を持っていって、
     引き換えに書物・陶器・野菜発酵技術・胡椒・薬草・天文学・暦法・小国鶏・返書・僧を持ち帰ってきなさい』」

井金:酷だよ! 6歳相手にその内容は酷だよ!

上科:「『わかったよ』と妹子ちゃん。おつかいの始まりです。」

井金:ぅわかったんかいっ!! 何でわかってんだよ!?
   俺、年上だけど、もう何持っていって何持ち帰ってこいって言ってたか覚えてないよ!?

上科:「おつかいは大変です。海の天候はかわり易く、荒れ狂う波、もう仏に祈ることしかできません。
    今回は推古おかあさんが祈祷師を連れて行かせなかったので、妹子ちゃんが荒れ狂う海にたった1人です。
    かわいい子には旅をさせろってね!」

井金:範疇じゃねぇよ。てめぇ6歳児にどこまで求めてるんだよ。も少しばかし安全な旅をさせんかい。

上科:「妹子ちゃんは果たして上手に祈祷できるのでしょうか。
    一言一句間違えずに祈祷しないと、よけい海は荒れ狂います。」

井金:おいおい仏さんよ、慈悲ってもんを振りかざしてやろうぜ。6歳の子に、パーフェクトもとめちゃダメだぜ。

上科:「見事、航海日誌を書きながらでしたが一文字も間違えずに祈祷をし終えました。すごい、妹子ちゃん!」

井金:なんだただの天才か。こなれた感じがするもんな、祈祷。
   もうやだこの6歳児、全然可愛げがない。

上科:「こうして、中国に、無事ついた妹子ちゃん。
    煬帝おじさんに手紙を渡します。煬帝おじさんは太子おじさんからの手紙を読んで
    『《日出づる処の天子、書を日没する処の天子に致す。恙無きや。》? 蛮夷の書、無礼なる者有り、復た以て聞する勿れ』
    と言って怒っています。」

井金:6歳児どころか俺にもなにがいいたいのかわからない説教きました。

上科:「すると、妹子ちゃんは、持っていた出火鉄と出火水晶で火をつけ、海石榴油に引火させ、煬帝おじさん家を燃やして黙らせました。」

井金:あー、やりやがったよ。大切な売り物を。ついに実力行使までするようになったか、この6歳児は。

上科:「こうして、日本と中国の関係が悪化し、煬帝からの国書などを持って帰れなかった妹子ちゃんは、
    推古おかあさんと太子おとうさんに怒られ、島流しになりました。」

井金:両親の厳しさに愛が全く感じられないが、この妹子なら普通に島から自力で帰ってきそうだし、別にいいか!

上科:「残念、妹子ちゃん! 次こそガンバってね! おしまい」

井金:ほんと残念だよ。なんだこの腐った番組は。
   もはや規格外の6歳児の愚行が笑えてきたわ。島流しとか「ざまぁみろ」としか言いようがない。

上科:おー、醜い大人!

後攻
バーソロミュー教団
コント/我慢田博士の憂鬱


拓郎:ねぇ、我慢田博士! 博士はどんなことでも我慢することでお茶の間の皆さんに大好評と聞きつけて暇つぶしがてら来たんだけど、
   博士は本当にどんなことでも我慢するの? 一体どんな我慢をするの? 我慢しすぎて死にたくならないの?
   うわっ、めっちゃ鼻血出てきた。お前のせいだ、くたばれ

博士:少しは僕に喋る余地をくれないか拓郎君!?
   そうだね、拓郎君。僕はどんなことでも我慢するよ。我慢はとても大事なことなんだ。
   たとえば君が大人になった時、どんな苦境に立たされても

拓郎:うわ見て、めっちゃ鼻血がドロドロ出るよ博士。ほら、見て見て、めっちゃ出る。
   これはまるでナイアガラの滝のようだ。ナイアガラの滝のごとく、鼻から血が流れ出ている。

博士:冷静な状況はいいから拓郎君! ほら、これで拭いて! まったく……

拓郎:で、我慢田博士は一体どんな我慢をするの?
   ベストポジションでミキサーに入ってたゴキブリをかき回さずに見逃すこと以外、
   我慢することなんてこの世にないよね?

博士:物事の視野が穿ちすぎているよ拓郎君! 世の中なんて、我慢だらけだよ。
   例えば、学校の先生に理不尽な理由で怒られたときなんかそうだよね。

拓郎:なるほど、ベストポジションでギロチン台の下に寝そべってた先生を斬首せずに見逃すなんて所業、僕にはできないなあ。

博士:何かトラウマでも抱えているのかい拓郎君!? たまたまギロチン台の寝そべってる人なんて皆無だと思うよ!?
   とにかくね、拓郎君。人生は何があっても我慢だ。我慢を怠っちゃいけない。

拓郎:大丈夫だよ、博士! 僕も自慢じゃないけど、昔は色んなことを我慢していたんだ。

博士:ほう、それは良いことだね拓郎君。一体どんな我慢をしているんだい?

拓郎:学芸会の演劇で配役を決定するとき、木の役で我慢したんだよ。

博士:主役よりも脇役の方が大事だと言うからね。君の活躍を見てくれている人がきっといるよ。
   ちなみに、どんな劇だったの?

拓郎:「樹齢200年物語」っていうタイトルだよ。

博士:それ絶対木が主役だよね!? 拓郎君主役もぎ取っちゃったよね!?

拓郎:この演劇が思いのほか大成功しちゃってさ、地元のミニコミ誌の取材がたくさん来たんだ。
   僕は取材を受けるのを我慢して体育館を爆破したり校庭を炎上させながら逃げてるんだけど、
   そうすればするほど色んな記者が僕を追いかけてくるんだ。僕は我慢しているだけなのに。
   大人って汚いよね。ドブネズミなんかよりも全然醜い。全員ほくろが大爆発して死ねばいい。

博士:発想が突拍子もないよ拓郎君!? それに我慢の意味を少しはき違えてないかい!?

拓郎:それで僕、開き直ったんだ。もう我慢なんてしないって。
   もう我慢なんてしないなんて、言わないよ絶対。
   ところで槇原ってブサイクだよね。

博士:もう少し論点をまとめようよ拓郎君!!
   僕一体何の話してたのか忘れたよ!?

拓郎:あの村山富市の出来そこないみたいな眉毛見てると沸々と殺意が湧いてくるよね。
   多分学生時代は、席替えで隣になった女子から「うわっ最悪」って言われたり、
   休み時間にトイレから戻るとヤンキーが占領してて授業が始まるまで廊下をうろついたり、
   ギャルの「じゃんけんに負けたらキモオタに告白ゲーム」の標的になったりしてるよね。
   あーあ、交差点を歩いている槇原を大型トレーラーで跳ね飛ばすゲームがあったら100万個買うのになー

博士:一体何をされたら槇原にそんな憎しみが生まれるの!? 親族を皆殺しにされたの!?

拓郎:そんなことを考えていた時、お茶の間でテレビを見ていると我慢田博士が出てきたんだ。
   我慢を信念に生きているなんて、バカバカしくて物も言えないね。
   三面鏡に行く手を封じられている隙に家中のカレンダーが全部燃えればいいのに。

博士:それはもはやどういう趣旨の暴言なの拓郎君!?
   まぁ、いいや。つまり君は、我慢をする人間が理解できないから、ここに来たわけだよね?
   大丈夫だよ、我慢の大切さを教えるために僕がいるんだ。
   さぁ、僕と一緒に我慢の勉強をしよう!

拓郎:まぁでも我慢が苦痛な僕にとって、どんな我慢もしてのけるっていうのは凄く興味があるよ。
   で、具体的にどんな我慢をするの? 我慢しすぎて死にたくならないの?
   うわっ、まためっちゃ鼻血が出てきた。まるでナイアガラの滝のようだ。お前のせいだ、くたばれ



五竹:ヒ(ーロー)さん、バ(ーソロミュー)教団さん、ありがとうございました。

小村:バーソロミュー教団さん括弧ついてねえよ!

五竹:それではまずは審査員のご紹介を。
   今回審査をしてくださったのは、
   FANさん、翔さん、きょくにゃんさん、、さん、KKさん。
   以上の5名の方々です。今回は審査が奇数なので主催者票は含めず5票で2組の勝敗を決めます。

小村:皆さん審査ありがとうございます!

五竹:票は1票ずつ、先程名前を挙げた順に発表していきます。
   では行きましょう。
   投票結果は・・・


















 バーソロミュー教団




















 バーソロミュー教団




















 ヒ(ーロー)




















 ヒ(ーロー)




















 バーソロミュー教団



 ということで結果は、




















 ヒ(ーロー)さん2票、バーソロミュー教団さん3票で、


 バーソロミュー教団さんの勝利です!
 おめでとうございます!
小村:これは熱い!

五竹:残念ながらヒ(ーロー)さんはここで敗退となります。

小村:強豪相手にここまで競ったのはすごいですよ。

五竹:さあ次いきましょう。第4試合、激戦が予想されるこちらです。
◆2回戦前半第4試合 シュビビン! 対 みやこ◆


↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓審査詳細↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓



審査者:FAN

投票:バーソロミュー教団

◆投票理由◆
ヒ(ーロー):6歳という設定があることでゴチャゴチャしてるように思います。そもそも妹子自体は本当は6歳じゃないので、6歳なのに〜というボケ・ツッコミがそこまでしっくりこないというか。
組み合わせは面白いのですが、その面白さはもっと表現できると思いました。
バーソロミュー教団:とにかく一行目が面白い。
話の締まりのなさ的にも、最後拓郎のセリフで終わるのはすこしもやっとしました。



審査者:翔

投票:バーソロミュー教団

◆投票理由◆
ヒ(−ロー):7

歴史のこういうバカバカしいネタ好きです
オチもお見事だし、素晴らしい出来だと思います
ただ申し訳ないのはバーソロと比べてしまうと僅かに楽しめたのは向こうでした。点数的には動転に近いです

バーソロミュー教団:8

これだけ詰め込んだにもかかわらずなんともサッパリとしたネタ
というかボケを外さないのがお見事
槙原の下りをもう少しなんとかして欲しかったですけどそれでも満足でした



審査者:きょくにゃん

投票:ヒ(ーロー)

◆投票理由◆
ヒ(ーロー):上手くおつかいに遣隋師の要素を取り入れたなって感心しました。中盤当てはめただけの部分とオチ以外はハマりました。
バーソロミュー教団:言い回しとかフレーズとかは流石という感じでしたが、拓郎君のキャラが出来過ぎていて笑いより純粋にウザさが上回ったように思えました。



審査者:、

投票:ヒ(ーロー)

◆投票理由◆
ヒ(ーロー)さんの序盤のインパクトが物凄かったです。史実をただ書いてるだけだったのかもしれないですがすごく面白かったです
バーソロミューさんはボケの安定感があるんですが、
ただの槇原敬之への暴言にハマらなかったり最後博士のツッコミで終わらなかったところがピンと来なかったりしました



審査者:KK

投票:バーソロミュー教団

◆投票理由◆
ヒ(ーロー)さんは、遣隋使の設定を見事に活かしていた漫才だと思います。ツッコミのテイストをもう少しまとめればボケが入りやすくなったかなと。
バーソロミューさんはボケがナイアガラみたいに畳み掛けられて、逆に心地よいです。
ボケを無理に詰め込むのはマイナスにもなりかねますが、こういった手法は25行を活かすことができてていいですね。
某根菜さんに怒られないようにね。



審査者:ジンガー

投票(無効):ヒ(ーロー)

◆投票理由◆
ヒ(ーロー)さんははじめてのおつかいと遣隋使の2つをうまく絡めてネタに出来ていたと思います。
題材に沿ったボケが多く楽しめました。
ただ最後の毒のある感じの流れは笑いには繋がらないんじゃないかなと。
バーソロミュー教団さんは拓郎さんの尖った言動が、笑いよりもちょっと不快感を作ってしまったかなという印象です。
題材をうまくまとめられていたヒ(ーロー)さんに投票させていただきます。
バーソロミュー教団さんはボケの異方向さ加減は非常に面白かったのですが、槙原さんの部分などでマイナスに感じる部分が大きかったですかね...



◆2回戦前半第4試合 シュビビン! 対 みやこ◆


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