「勇者小村よ、狼が巣食うこの世界をお前の手で平和にするのだ。頼んだぞ。」



「旅立ち」



小村：母さん、それじゃ狼退治に行ってくるよ。

五竹：１人じゃ心細いでしょ？この子連れて行って。

「羊が仲間になった！」

小村：いや狼に羊って！そいつ食われに行くようなもんだよ！？





「お城」



小村：では王様、狼退治へ行ってまいります。

五竹：ちょっと待て。この500ゴールドでいろいろと買っておけ。

小村：ありがとうございます。

五竹：あと、こちらで精鋭を用意したので連れて行ってくれたまえ。

「羊が仲間になった！」

「羊が仲間になった！」

「羊が仲間になった！」

小村：何で皆羊なの！？俺は狼に食料を届けに行く係なのか！？





「道具屋」



五竹：いらっしゃい。どうします？
　　　薬草が10ゴールド、羊が1000ゴールド、あと何が出るかお楽しみのお楽しみ袋が100ゴールドです。

小村：何で羊が堂々と売ってんだ・・・
　　　じゃあ薬草10個と、あとお楽しみ袋を１個ください。

五竹：はい、200ゴールドになります。

小村：はい。

五竹：じゃあこれ、薬草10個とお楽しみ袋、あとたくさん買ってくれたからこれおまけね。

「羊が仲間になった！」

小村：いらないのに！まず世話が面倒なんだよ！
　　　1000ゴールドのものが200ゴールドの買い物のおまけで経営大丈夫なのか！？
　　　・・・じゃあお楽しみ袋を開けてみるか。

「羊引換券を手に入れた！」

小村：いらねえよ！羊に食わせてやる！

「羊引換券を手に入れた！」

小村：２枚目出てきた！１枚目に同じく！

「羊が仲間になった！」

小村：いや、１匹直に袋に入ってた！？なんだよこの袋！一応2900ゴールド分得した訳だけど100ゴールド損した気分でしかねえわ！





「武器屋」



五竹：いらっしゃい。どうします？
　　　羊用の剣が100ゴールド、羊用の盾が80ゴールド、お楽しみ袋が200ゴールドです。

小村：羊用しか売ってないし、どう羊用として作ろうにも羊が剣や盾を使えると思えない！
　　　そして羊が多すぎてそんなに武器買えねえんだよ！
　　　・・・武器屋だし大丈夫だよな・・・よし、お楽しみ袋１つ。

五竹：はい、200ゴールドになります。

小村：はい。

五竹：じゃあこのメェメェ言ってる袋をどうぞ。

小村：ネタばれしちゃってるよ！？他の袋にしてくれない！？

五竹：あいにくこれが最後の１個なんでね。

小村：・・・

「メェメェ目覚ましを手に入れた！」

小村：羊じゃなかった！羊じゃなかったけど何だこれいらねえ！

「羊が仲間になった！」

小村：羊も入ってた！この町の羊の急に出る加減なんなの！？





「エンカウント」



「オオカミスライムが現れた。」

小村：おりゃあ！

五竹：ぐはぁっ！

小村：とりゃあ！

五竹：がはぁっ！

小村：せいやぁっ！

五竹：ま、参りましたぁ！（逃走）

「オオカミスライムは羊を落としていった。羊が仲間になった！」

小村：何で羊持ってんだよ！？いらねえって！というか羊いっぱい仲間になってんのに結局俺しか戦ってないからね！？





「エンカウントその２」



「羊が現れた。羊が仲間になった！」

小村：いや、急に出会って急に付いてくる！？
　　　そりゃあ俺が羊ぞろぞろ連れてるから気持ち分からなくもないけど、これオオカミに食われに行くようなもんだからね！？





「エンカウントその３」



「オオカミゾンビが現れた。」

五竹：ぐうぉーん！

「オオカミゾンビは羊を呼んだ。」

「羊が仲間になった！」

小村：どういうこと！？オオカミゾンビの援軍として来たんじゃないの！？来て早々裏切ったってこと！？
　　　と、とりあえず倒そう！そいやぁっ！

五竹：ぐふぅっ・・・・・・・・・

「オオカミゾンビが仲間になりたそうな目でこちらを見ている。」

小村：まさかの！？羊の群れとオオカミゾンビ一緒に出来るか！？
　　　でも俺は仲間にするよ！？だって羊以外の仲間ができることがこの上なく嬉しいからね！？

「おや？オオカミゾンビの様子が・・・」

小村：いや、嘘でしょ！？これポケモンの進化のときのやつだよね！？いや、オオカミゾンビがそうなる訳ないよね！？そう変身する訳な

「おめでとう。オオカミゾンビは羊に進化した。」

小村：そんな訳ない！！いや、なんで！？どういう生態系してんの！？

「羊が仲間になった！」

小村：いらねえよ！お前ならいらねえよ！もう俺この世界救いたくねえわ！狼に暴れてもらって羊絶滅して欲しいわ！





「羊が仲間になった！」

小村：いや、何きっかけ！？





「ダンジョン」



小村：あっ、宝箱だ！開けよう！

「小村は宝箱を開けた。羊が仲間になった！」

小村：知ってたよ！？絶対にお前出てくると思ってたよ！？
　　　宝箱を見つけたらトラップだろうが何だろうが開きたくなる性格だから宝箱を見つけた時点でもう後悔してたよ！？





「ボス戦」



「オオカミが現れた。」

小村：出たな、オオカミ！

五竹：ぐわぉうん！

「オオカミは羊を食べた。」

「羊が減った！」

小村：えっ！？ちょっ・・・ナイスオオカミ！

五竹：ぐわぉうん！

「オオカミは羊を食べた。」

「羊が減った！」

小村：その調子！頑張れオオカミ！

五竹：ぐわぉう・・・ぐっ！？

小村：え！？

五竹：ぐわわわわぁー！！

「オオカミの腹が裂けた。」

五竹：ぐっ・・・は・・・（その場に横たわる）

小村：オオカミの中から羊が・・・

「羊が仲間になった！」

「羊が仲間になった！」

「羊が仲間になった！」

「羊が仲間になった！」

「羊が仲間になった！」

小村：無事どころかなんか増えてんだけど！？

「羊が仲間になった！」

「羊が仲間になった！」

「羊が仲間になった！」

「羊が仲間になった！」

「羊が仲間になった！」

小村：どっからこんな大量に出てきてんの！？
　　　いや、よく見たら連れてる羊も増殖し出したぞ！？

「羊が仲間になった！」

「羊が仲間になった！」

「羊が仲間になった！」

「羊が仲間になった！」

「羊が仲間になった！」

小村：うわあぁぁぁ！！羊に埋もれていく！！助けてくれぇぇぇ！！
　　　誰か！誰か！この羊の巣食う世界を誰か救ってくれぇぇぇぇぇ！！！！！



（暗転）



「羊が仲間になった！・・・羊が仲間になった！・・・うーん、なかなか眠れないなぁ・・・」